2021年4月にオープンした、女性鍼灸師による女性のための心地治療院 凪ぎのひ。
産前産後・ストレス・更年期・自律神経失調・ホルモンバランス
生理痛・PMS(月経前症候群)など、
女性特有の症状は少なくありません。
それらを熟知し、2度の出産を経て育児・仕事と現在進行形で活躍されている
女性鍼灸師、伊保先生にお話を伺いました。
産前産後の話
妊娠中はもちろん、産前産後の症状も人それぞれ十人十色。
1人目は軽いのに2人目は重い、その逆。そんな話やSNSの記事もよく目にします。
妊娠中の症状として、何か胃に入っていると吐き気がくる“吐きづわり”。
眠気やだるさがひどくなる“眠りづわり”等々…
すでに経験された方、これからの方、絶賛体験中の方、いらっしゃると思います。
二児の母である伊保先生は、何か胃に入っていないと吐き気が続く“食べづわり”に苦しんだそう。
おなかの赤ちゃんのため、そして日々変化する母体である自分のからだを気遣いながら
それらの症状を1人で抱えるのは精神的ダメージも蓄積されてしまいます。
また、出産予定日が近づくに連れ心配の種となる“逆子”。
鍼灸治療では、つわりや坐骨神経痛などの症状のほか、逆子も改善できるとのこと。
そして、出産。
先生の場合は、よく例えられる“鼻からスイカ”を超越した痛さ。
内側から骨盤をゴキゴキと押し広げられる激痛。
いっそのこと失神したいと思うほどだったそうです。
出産後は即ママ業へ。
体力・時間はもちろんのこと脱毛症状が出るなど、まさに全てをこどもに吸収されます。
しかしながら、出産で受けたダメージを回復するために全力で休養したい時期でもあります。
そして、メンタル面でも少しづつ疲れがたまってくる時期でもあるといわれます。
心身共に回復を早めることが必要となります。
鍼灸の話し
鍼灸とは、体のツボを刺激することで人間本来が持つ自然治癒力を高めていく「はり」と「きゅう」を使用した治療法。
最初は“人を癒す”職業に就くことを考えていた伊保先生。
“人を癒す”先にある“人を治療する”。しかも根本的に健康回復を助けることができる。
東洋医学の専門家である鍼灸師、正確には「はり師」「きゅう師」という2つの医療系国家資格を得るため、社会人経験後に3年制の専門学校に通うことに。
五行色体表
【凪ぎのひ】の施術室に掲示してある“五行色体表”。
とても面白い、興味深い診断法だと先生は教えて下さいました。
五行の色体表とは、東洋医学の診断法のひとつであり、病態をおおまかに捉えるときに用いる分類法。
東洋医学では、万物を構成する5大因子として
木(もく)火(か)土(ど)金(ごん)水(すい)を挙げています。
木=肝臓、火=心臓、土=脾臓、金=肺臓、水=腎臓と各々が臓器を司っており、
この五臓は順に青・赤・黄・白・黒と反応する固有の色を持っています。
不調な時、顔色や目の周りの皮膚などにそれが現れるとされ、
更に、木・火・土・金・水それぞれのグループに属する部位や症状などは、何かしらの関連性があるとされているそう。
例えば、「火」グループにある“心”に問題があると“脈”や“汗”や“眠り”などに影響が現れるといった様子。
これら現状を認識し、治療に活用するそうです。
美容鍼の話し
「顔も身体の一部。それを含むトータルで身体を治す。」
伊保先生の考え方に、“表面だけの美容”ではなく“治療”なのだと。
個人的な美容鍼の概念を覆されたように感じました。
もともと、顔への鍼は顔面神経麻痺や顎関節症の治療などに用いられるそうで
美容目的のみではないとのこと。
伊保先生が鍼灸師としてご活躍されるようになってから、
シミ・シワが気になり自ら美容鍼を受ける機会があったそう。
そこで改善に即効性があることを実感。
それだけでなく、綺麗になることで女性ホルモンが活性化し脳や自律神経にも働きかけるため、
心身に大きく影響することを体感したそうです。
美容鍼の用いる鍼について
【凪ぎのひ】では、2種類の鍼を使い分けて治療していきます。
- トントンと顔にゆっくり施術する“美容鍼用の短鍼”と
- 専用の器具を使って施術する韓国発祥の“高麗手指鍼”。
どちらの鍼もディスポーザブル鍼といって、使い捨ての鍼なので安心ですね。
“美容鍼用の短鍼”とは、一般的な美容鍼で用いる鍼で、
直接顔に刺すことで血流を促進させ、皮膚や皮下組織の状態を改善することで
ハリのある肌やリフトアップ効果があります。
対して“高麗手指鍼”とは、もともと手指用に刺す鍼として開発され、
ピッ、ピッと短時間で多くの鍼を的確に打つことができます。
普通の美容鍼よりも太くピンポイントで狙えるので、効果は抜群です。
各コースとセットにすると+3000円で施術可能
凪ぎのひについて
患者さんご本人が感じている辛さをしっかりヒアリングできるよう、
気兼ねなくゆっくり過ごせるようにお一人様ずつの完全予約制です。
産前産後・婦人系の身体の不調、心の乱れ、お肌の悩みなど、
まずはご自身が抱えている悩みや現状をお話することが治療への第一歩。
身体の循環を整えて機能回復をはかる鍼灸は、妊婦さんや授乳中の女性でも安心。
院内すべてが完全予約制な上、オプションで小児鍼も行っているのでお子様連れにもおすすめです。
鍼といっても専用の道具を皮膚に軽く当てる又はさする治療法で、
自律神経の調整、血行改善の効果があるそう。
神奈川県出身の伊保先生。ここ沖縄で鍼灸師として患者さんを治療しながら、
元気盛りの男の子2人のママ業もパワフルにこなしていらっしゃいます。
更に、本土などで開催される講習会にも積極的に参加し、鍼灸を学び続けているそう。
過去には大きなダメージを受け、回復に1年ほどかかったというご経験も。
「忙しい日々のなかで、ふっと羽を休めるように、リラックスしてほっと一息つける場所になれば」
と伊保先生は言います。
母、妻、仕事…いろいろな役目を一旦忘れて、
優先順位を少し上げて、
心をゆるがす風も吹かない、静まる波にゆられる、穏やかで柔らかな時間。
女性同士だからこそ心身共に寄り添ってくれる鍼灸師がいる場所。
そんな付加価値がここにはあります。

<この記事を紹介してくれた書き手のこと>
人生を見つめ直すために東京から沖縄に夫婦で移住。
自身の不調を改善するため、治療院を探していたところ
心地治療院 凪ぎのひと出会う。